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平成15年度教育行政執行方針

平成15年3月7日 平成15年第3回清水町議会定例会

I はじめに

平成15年第3回清水町議会定例会の開会にあたり、教育委員会の所掌する行政執行の主要なる方針について申し上げます。
昨年は我国をとりまく社会や経済の環境が大きく変化する中、完全学校週5日制の実施や新学習指導要領の施行をはじめとして、教育の分野においても大きな動きのあった年でありました。
教育委員会では、こうした教育改革の流れを自覚し、その方向や進展をしっかりと確かめながら、町民の皆さんが生涯にわたって生き生きとした人生を送ることが出来るように、教育・文化・スポーツ等の諸施策について、生涯学習の観点にたち、議員並びに関係各位のご理解とご協カを賜りながら推進してまいりたいと思います。

U 学校における教育の推進について

我国をとりまく社会情勢は、厳しい経済情勢の中、国際化、情報化、科学技術の進展、環境問題への関心の高まり、少子化等による学校の再編など、私達の予測を超えるスピードで進展し、激しい変革の時代を迎えています。
これらに対応できる21世紀を担う人づくりを進めることは、教育の重大な課題であり大きな役割でもあります。
学校教育においては,生涯を通じて学び続け、たくましく生きぬく基礎となる力を育てていかなけれぱなりません。
そのためには、清水町の豊かな自然環境や歴史的風土を活用し、新学習指導要領に基づき、ゆとりの中で生きる力を培い、生命の尊さ、他人への思いやり、正義感など、豊かな心を育てる教育をより一層充実していく必要があります。
各学校が魅力ある学校づくりをめざして、その取り組みを強めていく中、家庭や地域社会のご協カとご支援をいただき、「うてば響く・心に響く」学校教育の推進を図るとともに、社会教育と一体となって子ども達の教育に取り組んでまいります。

1 確かな学カの向上にむけて

新学習指導要領は、完全学校週5日制や特色ある学校づくり、総合的な学習の時間等が盛り込まれ、基礎基本の徹底を主眼に、ゆとりある教育の実現にむけて昨年4月から実施されました。しかしながら、指導時数の1割、教育内容の3割が削減されたことから、子ども達の学力について不安の声が聞かれたところであります。新学習指導要領のめざしている学カとは、単なるテストで測定できる知識や技術のみをとらえるのではなく,個々の適性に応じて、学ぶ意欲や学び方を含めた新しい学カ観としてとらえ、子ども達が社会の変化に対応し、自ら考え、判断し行動するために必要な資質や能力を、ゆとりの中で体験的に身につけ、いわゆる「生きる力」の育成を重視しております。
本町の各小中学校では、こうした「生きる力」の育成を主眼としながら指導内容を工夫し、基礎基本の定着を図るためにT・T等を有効に活用し、教科における少人数指導や習熟度別による個々に応じたきめ細かな指導を取り入れるなど、確かな学カの向上に先生方が一体となって取り組んでおります。
また,松沢小学校は十勝管内教育委員会連絡協議会の「学力向上フロンティアスクール」実践校の指定を受け、全職員の協カ体制による基礎的基本的内容の定着を図るための指導方法の工夫を探り、課題解決にあたっています。
今後ともより一層指導内容の工夫改善に努め、学習の意欲向上と変化の激しい社会を生きぬくために必要な学力の向上に努めてまいります。

2 心の教育の推進にあたって

我国では物質的な豊かさや利便性の中で、心の貧しさがひずみとなって表れ,青少年による凶悪な犯罪や、問題行動の低年齢化粗暴化など、深刻な問題となっております。
一方、教育現場においても全国的にみますと、いじめや不登校、暴力行為等が増加し、深刻な危機に直面しています。
子ども達に善悪の判断や社会のルールを守るといった、基本的な公共心を身につけさせ、他者への思いやりの心など豊かな心を育むことが大切であります。
このためには、家庭や地域の協カを得、教育カを高め子ども達の自然体験や奉仕活動、読書活動等、より一層の推進を図っていかなければなりません。
本町では全小中学校で朝の読書活動が実践され大きな成果をあげております。
毎朝、わずか10分程度の読書でありますが、学校や教室がその一時は静寂に包まれ、静けさの中で全員が読書をする。心が落ち着き、穏やかな気持ちで一日がスタートし、授業に対する集中カが高まり精神面の効果が大きいと指摘する声があります。読書を通して、柔らかな感性を磨き、想像力を喚起し、知的好奇心をくすぐり、心を育てる教育を実践してまいります。
さらに、家庭における「夕ベの読書」を提唱し、ご家庭のご協力を得て、夕食後のわずかな時間を家族全員で読書をする、そんな活動の中から創造性豊かな他人を思いやる心を育てるなど、学校、地域、家庭が連携して、心の教育の推進に努めてまいります。

3 地域に開かれた特色ある学校づくりについて

学校が家庭や地域の信頼に応え、一体となって子どもの健やかな成長を図っいくためには、各学校が教育活動やその他の学校運営の状況について、保護者や地域住民に対し積極的に情報提供に努め、意見や要望に耳を傾けながら工夫改善に役立てていく姿勢を常にもち続けていくことが大切であります。
昨年4月より全ての学校に学校支援委員を置きました。支援委員の皆さんは会議のみならず、運動会、学習発表会、授業参観日等の学校行事に足を運んでいただき、校長の求めに応じて幅広い視野から貴重なご意見を数多く賜っているところでございます。
こうしたご意見を参考に、学校では保護者や地域の皆さんに学校についての関心や理解を深めてもらおうと「学校が見える・子どもが見える」学校の姿を企画・実践・診断の三部構成にまとめ公表しております。
また、教室だけが学習の場ではなく、学校の教師だけが先生といった今までの見方を改め、昨年たちあげをしました「生涯学習ボランティア登録・派遣事業」を活用し、学校教育活動の中にボランティアの方々のご協カを得て、外部の人材を活用したさまざまな取り組みが展開されるようになりました。
地域に内在する、専門的な知識や技が子ども達に伝わり、より学習効果が高まることが期待されます。あらゆる教科や活動に地域の教育力を積極的に活用し、地域に信頼され開かれた特色ある学校づくりにむけて一層支援をしてまいります。

V 小学校の再編成について

小学校の再編成につきましては、平成11年1月に決定した「小学校再編成要綱」に基づき、昨年1月から数回にわたり複式校6校を訪問し、有児童家庭の保護者の皆さんや地域の方々と協議をしてまいりました。
その結果6校から再編成について結論が出され、北熊牛小学校と美蔓小学校が平成15年度末に、松沢小学校、下人舞小学校、熊牛小学校、下佐幌小学校が平成16年度末にそれぞれ閉校することが確認されました。
長い歴史と優れた教育活動を展開し、素晴らしい実績をあげてこられた各学校が閉校するに至りますことは、過疎化の進行や少子化等、社会情勢の変化によるやむを得ない事情とはいえ、誠に残念なことであります。
今日まで地域の皆さんや保護者の皆さんが各学校に寄せられた熱い思いとご努力に対し、心から感謝を申し上げたいと存じます。
今後は編入先の学校との交流学習や学習環境の整備等、保護者の皆さんの不安がないように万全の準備を進めてまいりたいと思います。
また学校跡地の活用につきましては、現在庁舎内に学校施設活用検討委員会が設置され検討を進めておりますが、地域の皆さんのご意見を伺いながら有効に活用できるように進めてまいります。

W 少人数指導(少人数学級)の実現について

町立の小中学校における学級編成は、国の法律によって1学級の児童数や生徒数が定められ、小学校低学年も中学生も一律40人であります。
小学校低学年における学級編成は、発達段階をふまえ学校生活への適応を円滑に行い、基礎学力の定着と社会性を身につけ「生きるカ」を育むため,一人ひとりの特性に応じたきめ細かな指導が出来るようにしていかなければなりません。小学校再編に関って複式校の保護者から「受入校における低学年の少人数指導」について強い要望があったこともあり、教育施策の重点の一つとして小学校低学年における学級編成を20人規模とするため、町費負担による教員を学校に配置し少人数指導が可能な学級編成とし、道教委とも協議し学びの環境を整えていきたいと考えております。
なお、この少人数指導に関る町費負担の教員の任用につきましては、市町村立学校職員給与負担法第1条・第2条の規定によって「市町村立の小中学校等の教職員の給与等は都道府県の負担とする」となっておりますので,この規制措置を講じるためには構造改革特別区域計画の認定を受けなければなりません。
現在計画認定の申請にむけて準備を進めておりますが、この計画が認定されしだい実施してまいりたいと考えております。

X 町有バスの運行及び学校給食の運営方針について

はじめに,、クールバス及び町民バスの運行対策でありますが、管理車輌の保守点検と整備の徹底を図ってまいります。
スクールバスの運行につきましては、各学校との連携を密にし、児童・生徒の通学に安全性と利便性、効率性の確保に万全を期すものであります。
スクールバスの民間委託業務につきましては、一部民間への委託を行っておりますが、町内における雇用の場の安定確保、行政の効率化及び財政効果の推進、さらには町内業者の育成などにも留意をしてまいります。
また、町民バスの運行についてでありますが、各利用団体の理解と協力を基に均衡と調整を図り、安全運転の確保に努めます。
つぎに、学校給食について申し上げます。
学校給食は、ひとつに「成長期にある児童生徒の健康増進をはじめ、子どもの時から食生活の基本を正しく理解させ、食事について自己管理ができる習慣を身につけさせる。」、ふたつに「給食を通して子ども達同士や教職員との心の触れ合いの場を深め好ましい人間関係を育てる。」など、重要な教育活動の一環として位置付けております。
このためには、安全性に対する不安が持たれている遺伝子組み替え食品や食品添加物などは極力使用しない方針を立て、可能な限り新鮮な場産品の活用を図ってまいります。
さらに,味覚の充実と栄養のバランスのとれた安全な給食を作るため、米飯とパン食のバランスを図るとともに家庭的な給食を心がけ、できる限り手を加えた給食の提供を目指します。また,「給食モニター」の意見も参考にし、より安全で喜ぱれる給食を作るため、職員が一体となって取り進めてまいります。

Y 社会教育の推進について

活カある生涯学習社会の構築に向けて、社会教育行政の果たすもっとも大きな役割は、公民館や文化会館、図書館、体育館といった社会教育施設を拠点として住民の学習活動を援助、発展させていくことにあります。
厳しい経済環境の中ではありますが、第5次の清水町社会教育計画に基づき「いきいきと学びあえる社会の実現」をめざし、いつでも・どこでも・だれでも・何でも学び続けることができる教育環境の条件整備に、出来る限りの努力を傾けてまいります。

1 社会教育学習活動の推進について

幸せな生命の誕生から豊かな老後まで、町民の各時期における生涯学習内容の到達目標を明らかにし、課題解決のための各種学習機会の提供、団体・サークル等の育成並びに指導者の養成に努めてまいります。
引き続き子育て支援センターや関係機関・団体とさらに連携を深めながら家庭教育の充実に努めるとともに、学校教育の補完としての自然体験・社会体験学習を通して、自立心や協調性、生きるカを育むことを重点とした少年教育の充実に努めてまいります。
そのほか青年・女性・成人の社会教育推進については、生きがいづくり,趣味や教養の助長、協働のまちづくりの一端をどう担うかといった観点から、引き続き公民館を中心とする各種講座や教室・学級等を開設するほか、本年度も清水高等学校の協力を得て高校開放講座を開設し、学習機会の提供に努めてまいります。

2 芸術・文化活動の推進について

町民の一人ひとりが心豊かで潤いのある生活を営むために、芸術・文化への関心や意欲をより高め、創造性あふれる多様な文化活動を支援するとともに、心の豊かさや感受性を高めるための優れた芸術・文化に接する機会を提供してまいります。
特に、低年齢のときから芸術・文化に触れる機会を多く持つことの重要性が認識される現在、幼稚園・保育所・各学校との連携をより深めながら、芸術鑑賞機会の提供に努めるとともに、所蔵する清水町ゆかりの絵画作品等の移動展示を引き続き進めてまいります。
そのほか、余暇活動の充実や心の豊かさを求めて音楽や美術等の芸術に親しみ、活動の輪が広められるよう文化団体やサークルの自主的な活動を支援するとともに、清水・御影両文化協会との連携を深めながら指導者の養成・確保に努めてまいります。

3 スポーツ活動の推進について

健康で豊かな活カある生活を送るためには、仲間とともに楽しみながら、スポーツ活動を通した体力づくりを生活の中に取り入れることが大切です。
近年パークゴルフや歩くスキーなど、年齢を問わず、誰でも手軽に楽しめる軽スポーツが広がりを見せ、健康づくりや体カ増進に大きな成果を上げておりますが、さらにユニカールなど軽スポーツの振興を図るため、各種スポーツ教室や大会を開催し、年間を通してスポーツに親しむ機会拡充に努めてまいります。
また、競技スポーツ人口の拡充・強化についても体育協会と連携を深め、スポーツ少年団の育成や指導者の養成を図るとともに、児童・生徒や団体・サークル等への支援に努めてまいります。
スキー場につきましては、景気低迷の影響や若者のスキー離れにより利用客数が減少していることから、適正な運営規模を維持し、冬場の健康増進と社会体育の振興施設として、安全で利用者に喜ばれるスキー場運営を進めてまいります。
アイスアリーナにつきましては、開設11年目を迎え氷上スポーツの振興に大きな成果を上げてまいりました。本年も引き続き幼児から社会人・女子など、競技人口の拡大、競技力の向上、町民の体力づくりに本町の特色あるスポーツ活動の意を体し、利用者拡大や地域振興のため、積極的に大会や合宿の誘致を進めるとともに、町アイスホッケー協会との連携をより深め、効率的な施設経営に努めてまいります。

 図書館・郷土史料館の運営について

図書館については現在、農村環境改善センター図書室とともに町民の自主的な学習活動の場、情報収集や潤いの場として大きな役割を果たしています。また、拠点施設への配本所の設置や、図書のほか映像資料の充実に伴い新しい憩いの場として、開かれた図書館活動の推進に努めているところです。
近年の厳しい財政状況の中ではありますが、特色ある精選された図書購入に努め町民の読書需要に応えるとともに、寄贈図書等の有効利用について意を用いてまいりたいと考えます。
そのほか、本年も引き続き図書館の利用促進や利用者層の拡大を進めるとともに、学校図書館とのネットワークの充実に努め、児童・生徒の読書意欲の高揚に努めてまいります。さらには,、図書館を中心として活動するサークル等ヘの支援協カを継続するとともに、「読み聞かせ」などの読書普及につながる新たなサークルの育成を図ってまいります。
郷土史料館については、引き続き郷土の開拓・生活資料の保存・展示及びコンピュータを利用した清水ガイドの運営に努めてまいります。

5 その他

ひとつには、生涯学習社会の到来とともに、共に学び共に生きる地域社会をつくるために、昨年度「生涯学習ボランテイア制度」をスタートさせ、町内に在住する特殊技能や知識・経験を有する方々を登録し、学校教育における「総合的な学習の時間」などへの協カ・助言、町民の生涯学習活動に対するお手伝いを進めています。
今年度も引き続き、登録者の拡大や制度自体のPRに努め事業の拡大を図るとともに、新たな視点に立ち、若い人たちを対象にボランティア意識の向上をめざした「ボランティア活動スクール」事業を開催してまいります。
ふたつには、公民館や体育館をはじめとする各社会教育施設は、集い・学び・結び合える多様な学習を支援する役割を担っていることから、利用者の立場に立った適切な管理と効率的な運営に努めてまいります。
特に、地方分権の時代を迎え、町民と行政との協働によるまちづくりが求められている中、行政サービスに対する受益者負担の原則に基づく各社会教育施設利用の有料化について、今年度論議を深め結論を出してまいります。


Z むすび

以上、平成15年度の教育行政執行に関する主要な方針について申し上げ、本町の教育・文化・スポーツの振興と生涯学習社会の構築に最善の努力を傾けてまいりますので、議員並びに関係各位の温かいご支援と積極的なご協カをお願い申し上げ、教育行政執行方針といたします。

平成15年3月7日

清水町教育委員会委員長 鈴木敏彦

 

 

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